不用品の無料回収のからくりと、その後の行方

粗大ごみ

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不用品の無料引き取り

不用品の無料回収という言葉は、全国各地のどの地域でも聞いたことがあるかと思います。

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それではどんな不用品を無料引き取りしていて、引取りされたものは何処へいって、どのように使われているのかをご紹介してみたいと思います。

  • なぜ無料引き取りができるのかという疑問

多くの方が、なぜ無料で引取り出来るのか?という疑問を持たれる人も多くいるかと思います。無料と騙して、後から高額請求されるのではないか?不安に思われている方もいます。正しく理解することで、思わぬトラブルも避けることが出来ます。

  • 海外への輸出が目的
  • 全てのものが無料ではないリサイクルショップとの違い
  • 世界中から集まるバイヤー

海外への輸出が目的

集められる品物は日本国内向けではなく、海外向けの輸出品として取り扱われています。その種類は以前は家電品が中心でしたが、今では家財品も輸出されるようになりました。それだけ日本の中古品が人気になりつつあるということです。

全ての物が無料ではない

”無料回収”と謳い集める物の中で、全てが無料で引取りしているわけではないことは注意しなければいけません。全てのアイテムが無料ではないので、そこが思わぬトラブルの原因にもなっていると思います。拡声器を使った業者や、のぼりを立てて集めている業者は全部無料なのかと思ったら、「金額を請求された」というのがよくあるトラブルの事例です。

告知する側にも問題はあるとは思いますが、売れないものをタダで引取り出来ないという業者側の言い分とが噛み合わない結果によるものですね。何が無料で引取り出来て、何が無料で引取り出来ないのかを確認することが重要です。

リサイクルショップとの違い

輸出業者は街のリサイクルショップとは違います。取り扱うアイテム数にも限りがあります。これはバイヤーからのリストを元に集めるからです。オーダーに沿って品物を集めていきます。動作確認を行うことはなく、形をなしていれば商品として成り立つからです。故障してては使い物にならないと思うでしょうが、輸出先の現地人の手によって整備をされて再販されていきます。日本国内で修理をすると高いからというのが理由です。顧客自体が国内向けの一般の人に対してではありません。

世界中から集まるバイヤーたち

海外から様々なジャンルのバイヤーが集まって来ています。車の買い付けなどは既に以前からも多かったことです。日本ではもう流行らない中古車で、安く手に入るものをターゲットに買い集めに来ています。アジアで日本車が走っているのをよく見かけますよね?あれと同じことが家電品でも起きているのです。それが家電のみならず家具や生活道具など、あらゆるものを輸出する時代になりました。使いかけの鉛筆や100均で売っているキッチン用具も輸出されます。

日本では当たり前のように安く買えるものですが、フィリピンなどの東南アジア諸国からすれば、日本の100円均一の商品はとても人気なんです。日本人からしても、100円にしては品質は高いと感じますから尚更です。

回収された物の流れ

日本国内で集められるものは、海上コンテナに詰めて発送されます。10フィートのサイズのコンテナですから、かなりの量を集めなければいけません。コンテナの中はオーダーに合わせた内容で、コンテナ内で事故にが起きないように積み込みされて港へ運ばれていきます。そこから世界各国へ送られていきます。

輸出自体は違法ではありません

お役所から”回収業者の利用制限”が出ていますが、この輸出自体は違法ではありません。株式会社浜屋 さんという会社は平成3年に創業をして現在も日本各地に営業所を構える企業です。こちらの会社では法人や個人からリユース可能な商品を買い入れしています。こちらの会社以外にも多くの輸出会社があり、さらに増えているのが現状です。最近ではリサイクルショップも国内販売から輸出をメインに行っているところも出始めています。

世界で注目を集める日本の中古品

最近の日本の中古品というのがブランド化してきて、生産自体は中国だったりベトナムだったりするものは多いですよね?それでも日本で売られていた物や、日本人が使っていた物、日本の規格で作られたものであれば人気なんです。車もそうですが、使い方が良いので、中古でも全然問題が無いから欲しいと思う人が増えているそうです。日本人が処分で捨てるものを、喜んで使ってくれている人がいるわけです。

主に無料で回収されている物

家電品

全ての不用品や廃品が無料で引取りされているわけではありません。無料引き取りされているものとそうでないものを挙げてみます。

家電品

家電品が無料回収の代名詞といっても過言ではありません。最近は無料で引取り出来るものも少なくなってきましたが、液晶テレビや・オーディオ・パソコン・エアコン・ミシン・ゲーム機とおおまかにはこういった物が集められています。

バイク

原付バイクが特に人気でアジアや中東など、色々な国から買い求めにやってきます。特にヤマハの車種は故障が少ないとが人気ですが、数が少ない状況です。

船外機

川で釣りをして生計を立てている国の人たちは、日本製の船外機を欲しがるようです。故障も少なく品質が高いからでしょう。バイヤーはアジアだけでなくアフリカなどからもやってきます。

家財品

家具や雑貨なども受け入れをしている業者も各地で増えつつあります。家具の場合は大きな物なので、持ち運びに苦労はあるかと思います。そして傷が多い場合は受け入れ出来ないこともあるので、事前の確認は必要です。キッチン用品や文房具・置物などは人気です。スポーツ用品や釣り具など。上に挙げたものは持ち込みなどで引き受けてくれるところであれば無料でも大丈夫だと思います。しかし倉庫形式で無料受け入れを出来る業者の施設の場所は、どこにでもあるわけでもないのが現状です。

リユースとリサイクルの違い、どちらが良いのか?

リユースとリサイクルは何が違うのかと言えば、リユースは再利用です。リサイクルというのは、日本ではリユースと同じように再利用の意味もありますが、厳密にいえば再資源化になります。ペットボトルを砕いてチップにして、またプラスチックを作るようなことが”リサイクルです”それでどちらが良いのかと言えば、再利用のリユースの方が環境に与える負荷は少ないわけですから、環境にやさしいということになります。

再資源化するためににいくつもの工程を経るわけで、そこにたどり着くにはCO2も多く排出することになります。そういう点で言えば、必ずしもリサイクルが良いとは言えなくなるわけです。

都市鉱山と言われる日本

ただ、なんでも海外に輸出して再利用すればいいというわけでもありません。家電製品の中には多くのレアメタルを含んでいたりしますが、レアメタルは量に限りがあるこそ貴重なわけです。そんなレアメタルやそれ以外の金属も含めるとかなりの金属を日本は保有しています。

それは山ではなく、都市の中にあるビルや人々が持つ家電品です。資源の無い日本ですが、保有はしているので、都市鉱山と呼ばれたりもします。こうしたものをきちんとリサイクルしていくことは本当に大切なことだと思います。海外への流出は避けたいところですね。

環境省からの物言い

家電品などの輸出について環境省はあまりよく思ってはいないようですね。環境省のホームページにも記載があります。

~あなたの安易な行動が環境汚染につながっています~
いらなくなった家電製品は正しくリユース・リサイクル!

 

これは「家電リサイクル法の下で正しく処理してください」と言っているわけです。しかし、本当に環境省の言い分を鵜呑みにしても良いのでしょうか?このような御触れが各所に出てる背景には別の思惑があるからだと容易に推測が出来ます。それはどういったことかと言いますと、家電リサイクル品などの集まりが悪いということです。この家電リサイクル品というのは家電5品目で、テレビ・冷蔵庫・洗濯機・エアコン・衣類乾燥機といった物なのですが、以前は粗大ゴミで収集していた物を家電量販店等の電気店で集めなさいと法律を作りました。その家電リサイクル料金と、それとは別に運搬費の費用を合わせると決して安い金額ではありません。

この法律の下でとりまとめをしているのが、”一般財団法人家電製品協会”というところです。ここが不要となった廃家電のリサイクルを進めているわけです。アドバイザなどの資格を作っていたりするのもここです。そしてここは環境省などの天下り先でもあるわけです。環境省ともつながりがある以上は、この法人にとって都合の悪いことは、この法人の存続にも係わります。今後の天下り先が無くなってしまうのは困ってしまいますからね。

ですから、言いがかりをつけるような形で、家電品の無料引き取りを止めさせたいわけです。法律を作るのは役人です。この家電リサイクル法を作ったのも役人です。しかしよく考えてみてください。これは本当に国民のために作られた法律と言えるのでしょうか?話は少し余談ですが、車にもリサイクル券というものが購入時に支払わなければいけないもので含んでいます。車をスクラップとして売れば鉄くず費用で数万円になるものを、なぜ”リサイクル券”の購入しなければいけないのでしょうか?売れると分かっているものに、名目を付けて先に費用を払うわけです。少し変ですよね。

これも財団法人自動車リサイクル促進センターは国土交通省の天下り先になっています。現状の法律は役人にとって都合よく作られます。これに似た法律は数多くあります。日本人は特に、「法律だから」と従う国民性ではありますが、”ゆでガエル”になる前に一度考えるべきでもあります。法律はもちろん遵守するのは当たり前ですが、国民が正しいと納得できないものに関しては変えていく必要があります。

時代によってふさわしくないものあるからです。それを変えるのは国民自身で、「変えるべきだ」と声を上げていくことがその最初の一歩になるのだと思います。個人的な意見で言えば、中古品としてリユース出来るものを、海外の人々がそれを「古くてもいいから日本製のものが欲しい」と買い求めに来ているわけで、”ゴミ”にしかならないようなものをお金を払って持ち帰るわけなんてありません。

ネット上の声では「基盤を溶かしてレアメタルだけを抜き取っている」なんて書き込みをしている人もいますが、それが全てありません。そこだけを取り上げてしまえば、それはネガティブな情報であり”風説の流布”と変わらなくなってしまうと思います。きちんと中古品として海外に持ち帰り、それを修理して仕事や生活で使っている人がいるということも取り上げられるべきだと思います。いずれにしても、日本の製品を古くなっても愛してくれている人がいるというのは、どこか誇らしい気持ちにさせてもらえます。

まとめ

無料回収というのは実際にあるにはあります。しかしすべてのアイテムではなく、一部のものであるということ。またそれをすべての業者が同じような対応で取り扱ってくれるわけではありません。トラブルが起きないようにするには、きちんと確認をするということが一番大切です。全ての物をゴミ処分ではなく、有効に活用できるものは活用することで、ゴミ減量に繋がり環境にも優しくなります。

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